3-3 どう対応すればいいのか

前節で予定に対する実績を入力し、遅延が発生している事がわかり、その遅れたタスクがどれで、どういった原因で遅れたのかも把握できました。この状況を管理者へ報告を行わなければならないのですが、作業量の多い管理者へ、この工程表だけを提出しても、運がよければ「だから何?」と返答がくるだけです。相手に、自分の状況を知らせ(報告)、どう対処すればいいのか、または、こう対処しようと思うがいいか(相談)を簡潔に知らせる必要があります。 最初に、自分の状況を知らせなければならないので、前節で書き出した箇条書きにして工程表の隅に記録として書き留めた内容を再度みてみましょう。
  • スケジュールが1日遅れている 
次に、なぜ遅れたのか原因を記載します。 
  • 仕様書にチェック項目として記載されている内容に抜けがあった 
  • ODBCのユーザー名を間違えていてデータベースへ接続できなかった 
次に、遅れをいつ、どうやって取り戻すのか、または、今後取り戻せない理由は何なのかを記載します。 
  • 原因1と同じような作業が今後4工程あり、予定作業として考慮した作業見積もりを行っていない為、予定を1工程につき4時間超える事が予想される。この処理内容は共通化や流用で対応出来ない為、遅延分を取り戻すのは難しい。スケジュールをオンスケジュールに戻すには、5日間1日約4時間の残業が必要となる。
  •  データベースへの接続処理を作成する事は今後無いので、同じ原因による遅延は発生しない。仕様書からコピー&ペースト等を利用したり、プログラム内の処理を流用したりする等、今後同じ原因のミスが無いよう手順を工夫する。 
最後に、その他スケジュールに関する問題点や連絡事項を沿える。 
  • 遅延分を取り戻す為には5日間1日約4時間の残業を行わなければなりませんが、残業で遅延分に対する対応を行っても宜しいでしょうか。 
  • 仕様書に記載されている内容が抜けていて、予定外の作業が発生する可能性がある。この場合、予定工数に入れていない作業となる為、遅延が発生する事になる。 
こういった内容の報告・相談を行い、管理者からの指示を仰いでください。1日4時間残業して、オンスケジュールに戻すようにしてくださいと指示されるか、状況によっては、1日5時間残業して、今後仕様書の抜けが発生しても吸収できるようにしておいてくださいと指示されるか、スケジュールはまだ余裕があるので、そのまま残業なしで作業を続けてくださいと指示されるはずですので、指示に従うようにしてください。 今回の例で報告した内容は以下の4項目になります。状況により内容は異なりますが、この項目が増える事はあっても減る事はありません。 
  • 遅延となった原因 
  • 今後の作業への影響 
  • 遅延分を取り戻す見込み
  • 遅延に対する対応 
ここで気をつけなければならないのは、勝手に残業をしてはならない事です。 なぜ勝手に残業を行ってはいけないのでしょうか。 1つ目は、今実績として記載している作業時間のトータルに一定の係数を加えると、今までにプロジェクトで必要となったコストが算出されます。現在プロジェクトの進捗が何%で、それに対しどれだけのコストがかかっていて、予定では今後どのように推移していくのかをシミュレートしているプロジェクトマネージャーがいて、勝手に残業をすると、正しい実績が算出できなくなり、シミュレートを行えなくなります。 2つ目は、一人で一機能や、一人で一画面を担当している場合はいいのですが、複数人で一画面を作成する場合や、機能間で他の人が作成した機能とのやり取りが必要な場合、自分だけ先に作業を進めてしまうと、プロジェクト内の進捗バランスが崩れ、再度スケジュールを作り直さなければならなくなる場合もあります。 3つ目は、1日無理して次の日の作業効率が落ちてしまっては、今後のスケジュールに影響を与ることです。例えば、その日の遅延を取り戻す為に夜中の2時まで残業したとしましょう。家で睡眠をとる時間は約6時間です。遊んでいて寝るのが遅くなるのとは違い、仕事での疲れはなかなか取れません。また、「遊ぶ」という事で発散されるストレスがあるわけではないので、全て体(脳)に残ることになってしまいます。我々コンピュータ業界のエンジニアは非常に過酷な労働を強いられる事がありますが、冷や汗をかく機会は多くとも、普通の汗をかく機会は少なく、疲れるのは、体ではなく脳となります。脳が疲れていては、いいアイディアも、柔軟な発想もできなくなりますので、当然、次の日の作業効率は低下します。これでは、何の為に前日がんばっ たのかわかりません。 会社によっては、進捗や残業に関して事細かに管理している場合があります。遅延が発生したからと言って、勝手に残業を行ってはいけません。また、残業を行う際も、なぜ残業が必要で、何時間残業を行えばどれだけの効果が得られるのかも必ず考えなければなりません。こういった事は、中々自分だけでは判断つきませんので、進捗会議や、作業の区切り等で一度管理者に相談してみましょう。
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