2-1 作業の把握

進捗管理を行うにあたり、予定が無い事には始まりません。その予定を作る為には、与えられた作業と自分の状況を考え、作業見積りを行う必要があります。 作業見積りとして、まずしなければならないのは、「しなければならない作業」が何なのか把握する事です。何をしなければならないのか把握できていないのであれば、作業を行う事もできませんし、状況を報告する事もできません。では、どうやって「しなければならない作業」を把握すればいいのでしょうか。 例えばこんな作業指示が出たとしましょう。  この検索画面をこの仕様書通りに作ってね  後でいつまでにできるか教えてね しなければならないのは「検索画面を作る」ですが、検索画面と一言で言っても、単一機能のものから、いろいろな機能が盛り込まれているものまで内容はさまざまです。単一機能であれば、約2日、遅れても1日といった規模ですが、検索条件が複数あり、結果としてサマリを表示しなければならない場合や、一回の検索で複数の検索処理を行い別々の画面に表示しなければならない場合、10日や20日といった規模になる場合もあります。このように1作業のまとまりが大きい場合は、内容によって必要となる時間が大きく左右されてしまう事になります。これでは予定も何もあって無いようなものですので、もう少し小さな単位で把握する必要があります。また、把握する単位が小さければ小さいほど、必要となる時間が左右される量が小さくなりますので、 出来る限り小さな単位まで調べ上げましょう。ここでは小さな単位を処理単位として記載します。作業の内容にもよりますが、殆どの場合、処理単位で十分有効な作業見積もりを行う事ができます。 作業の一番大きなまとまりは「検索画面を作る」ですね。この例では運良く作業指示と一緒に仕様書を手に入れていますので、仕様書に目を通し、どういった機能を作らなければならないのか調べてみます。

検索処理では、データベースから必要な情報を取得し、画面へ表示する処理が必要となります。また、表示した結果を操作した場合の表示変更処理や、複数の検索結果を選択する処理が必要となります。また、処理が正しく動作するかテストも行わなければなりません。 テストは画面単位では範囲が広過ぎ、各処理単位では細か過ぎるので、各機能単位に設けるようにします。実際のテスト作業においても、各機能単位で一区切りが着くと思います。以上の項目を追加した、「しなければならない作業」は以下のようになります。

「検索画面を作成する」という一つの作業ですが、「しなければならない作業」を細かく調べていくと、多くの処理が含まれている事が解りました。このように、与えられた作業を細分化していくことで、「しなければならない作業」を把握してきます。もし、この段階で、一処理単位に分ける事ができない場合や、仕様書の内容で疑問点がある場合は、この項目が増える可能性がありますので、必ず作業指示者に確認を行いましょう。 ここまで細分化できれば、作業時間を見積もるのに十分な作業内容が把握できた事になります。 ※本書では割愛しますが、○.○.○のように作業を分割・まとめる事をWBS化と言います。また、○.○.○の部分をWBSコードと言います。
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